福祉用具・介護用品の営業(福祉用具専門相談員)の仕事内容と給料の目安を、まず早見表で示します。結論から言うと、福祉用具の営業は「福祉用具専門相談員」が担い、レンタル・販売の提案が中心で、給料は現場の介護職と大きく変わらない水準が目安です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何を売るか | 介護ベッド・車いす・手すり・歩行器などの福祉用具(レンタル中心+販売) |
| 顧客は誰か | 利用者・家族と、紹介元のケアマネジャー・居宅介護支援事業所 |
| 必要な資格 | 福祉用具専門相談員(指定講習の修了などで要件を満たす) |
| 給料レンジの目安 | 月給20万円台〜、年収おおむね350万円前後(求人ベースの目安) |
この給料は、介護系の求人で示される数字をもとにした目安です。公的統計が福祉用具専門相談員という職種を細かく分けて集計していないため、相場観として扱ってください。地域・法人・経験・営業成績で上下し、特定の企業の支給額は求人票で個別に確認する必要があります(2026年7月時点)。
この記事でわかること:
- 福祉用具の営業が何を売り、顧客は誰か(仕事内容の全体像)
- 給料レンジの目安と、数字を読むときの注意点
- 現場の介護職との違い・きつさのトレードオフと、向く人
福祉用具の営業の仕事内容と給料|まず全体像
福祉用具の営業は、介護業界の中では「現場でケアをする仕事」とは性格の異なる職種です。担うのは福祉用具専門相談員で、介護ベッドや車いす、手すり、歩行器といった福祉用具を、利用者に合わせて選定・提案し、レンタルや販売につなげます。
介護業界の求人には、利用者・家族向けの「福祉用具を選ぶ側」の情報も混在しますが、この記事は働き手として福祉用具の営業に就く視点で書いています。現場の身体介護から離れつつ、介護に関わり続けたい人や、営業経験を介護分野で活かしたい人が主な対象です。
給料は冒頭の表のとおり、求人ベースでは現場の介護職と大きくは変わらない水準が目安です。ただし、営業職として成績に応じた手当がつく場合があり、そこが現場職と異なる点です。給料の高低だけで判断せず、仕事の中身・体力負担・評価のされ方をセットで見るのが、後悔しない比べ方です。介護職全体の給料の構造は介護職の給料のしくみの記事で確認できます。
何を売るのか・顧客は誰か|福祉用具専門相談員の仕事内容
福祉用具の営業の仕事は、単に商品を売るのではなく、利用者の状態に合った用具を選び、使い方を含めて提案するのが中心です。一日の流れはおおむね次のようになります。
- 紹介元への営業回り。 居宅介護支援事業所やケアマネジャーを訪問し、扱う福祉用具や新商品を紹介します。福祉用具の利用は、ケアマネジャーの紹介から始まることが多いため、事業所との関係づくりが仕事の土台になります。
- 利用者宅の訪問と提案。 紹介を受けた利用者の自宅を訪問し、生活環境や身体の状態に合わせて用具を提案します。ベッドや車いすは体格や住環境で選び方が変わるため、実物を見ながら調整します。
- 納品・設置と使い方の説明。 用具を届け、安全に使える状態にして、使い方を説明します。
- モニタリング。 レンタル中の用具が合っているかを定期的に確認し、状態の変化に応じて用具を見直します。
顧客は「利用者・家族」と「紹介元のケアマネジャー・事業所」の二層です。利用者に喜ばれることと、紹介元との信頼を保つことの両方が求められる点が、この仕事の特徴です。なお、福祉用具の選定は利用者の身体状況に関わりますが、この記事では介護技術や医療的な判断そのものには踏み込みません。
福祉用具の営業の給料の目安と読み方
給料の目安は、冒頭の表のとおり月給20万円台〜、年収おおむね350万円前後(求人ベース)です。数字を読むときは、次の点に注意してください。
まず、この目安は求人情報をもとにした相場観であり、公的な職種別統計ではありません。福祉用具専門相談員という職種は、公的統計で細かく分けて集計されにくいため、求人票に出る条件を集めた目安として扱うのが正確です。特定の企業がいくら出すかは、その求人票で個別に確認してください。
次に、給料の構成です。営業職の場合、基本給に加えて営業成績に応じた手当やインセンティブがつくことがあります。ここが現場介護職との違いで、成績次第で上振れする可能性がある一方、成果が求められるという裏返しでもあります。求人票では「基本給」と「みなし残業・成績手当の有無」を分けて確認するのが大切です。
さらに、地域差と法人差も無視できません。同じ職種でも都市部と地方、大手と地域の事業者で条件は変わります。給料を上げていく現実的な道筋は介護職が年収を上げる方法の記事、施設・職種による給料の傾向は施設タイプ別の給料の傾向の記事で整理しています。
福祉用具専門相談員の資格|指定講習で取れる
福祉用具の貸与・販売に関わって用具の選定などを行うには、福祉用具専門相談員の要件を満たす必要があります。要件を満たす一般的な方法が、指定の講習(福祉用具専門相談員指定講習)を修了することです。介護福祉士など一定の資格を持つ人は、その資格で要件を満たす場合もあります。
未経験から福祉用具の営業を目指す場合、この講習を受けることが入り口になります。講習の日数・費用・実施機関は地域で異なり、制度の要件は改定されることもあるため、最新は都道府県や講習実施機関の公式情報で確認してください(2026年7月時点)。介護業界のほかの資格と費用・期間を比べたい場合は介護の資格一覧の記事が参考になります。
資格の位置づけとしては、現場の介護資格(初任者研修・介護福祉士など)とは別系統の、福祉用具に特化した要件です。現場経験がある人はその知識を提案に活かせますし、営業経験がある人は関係づくりの力を活かせます。
現場の介護職との違い|体力・時間・評価軸
福祉用具の営業を現場の介護職と比べると、違いは主に3つの軸に現れます。
| 軸 | 福祉用具の営業 |
|---|---|
| 体力負担 | 身体介護は少なく、移動・運搬・訪問が中心。夜勤は基本なし |
| 勤務時間 | 日勤中心。訪問件数・営業の都合で残業が出ることも |
| 評価のされ方 | ケアの質より、提案数・レンタル件数・紹介元との関係で評価されやすい |
最大の違いは評価軸です。現場の介護職は日々のケアの積み重ねで評価されますが、福祉用具の営業は「どれだけ提案し、任せてもらえたか」という営業成果で見られる面があります。人と関わる仕事という共通点はあっても、求められる力の方向が違います。
体力面では、身体介護の負担が軽くなる一方、ベッドなど重い用具の運搬・設置があり、まったく体を使わないわけではありません。夜勤がなく日勤中心という点は、生活リズムを整えたい人には大きな利点です。現場で体力負担を感じて働き方を変えたい人にとって、選択肢の一つになります。異業種・異職種からの移り方は異業種から介護へ転職する記事も参考になります。