外国人が介護の仕事で日本に在留する主な枠組みとして、EPA・在留資格「介護」・技能実習・特定技能がよく比較されます。ただし、EPAは在留資格の名前ではありません。EPA介護福祉士候補者等は、経済連携協定に基づく活動を行う在留資格「特定活動」として案内されています。まず、制度名と在留資格名を分けて整理します。
| 通称・枠組み | 制度上の位置づけ | 公式に確認する項目 |
|---|---|---|
| 在留資格「介護」 | 介護福祉士が介護または介護の指導に従事するための在留資格 | 該当する活動、提出書類、在留期間更新 |
| 特定技能1号「介護」 | 一定の技能・日本語要件等に基づく在留資格 | 試験免除の有無、在留期間、支援計画 |
| 技能実習・育成就労 | 人材育成・受入れに関する制度 | 現在の計画、経過措置、移行要件 |
| EPA介護福祉士候補者等 | 経済連携協定に基づく受入れ枠組み。在留資格は「特定活動」 | 指定された活動、対象国・コース、更新・変更手続き |
家族に関する手続きと長期就労の確認先も、枠組みごとに異なります。
| 通称・枠組み | 家族に関する確認 | 長期就労を考えるときの確認先 |
|---|---|---|
| 在留資格「介護」 | 家族滞在の要件を確認 | 出入国在留管理庁の「在留資格『介護』」 |
| 特定技能(1号) | 原則できない | 介護福祉士取得→在留資格「介護」へ移行 |
| 技能実習・育成就労 | 適用制度の要件を確認 | 現在の計画と移行制度の公式案内 |
| EPA | 候補者・合格者・家族で手続きが異なる | EPA向け「特定活動」の公式案内 |
結論を先に言うと、EPAと在留資格「介護」を同じ種類の名称として数えないことが重要です。在留資格「介護」は介護福祉士が介護等に従事するための在留資格で、EPA介護福祉士候補者等は「特定活動」に該当します。在留期間、家族、変更手続きは本人の区分で異なるため、最終的な要件は必ず出入国在留管理庁の公式情報で確認してください。
この記事でわかること:
- 介護で働く主な制度・在留資格(EPA・在留資格「介護」・技能実習・特定技能)の違い
- EPAは在留資格名ではなく、候補者等は「特定活動」で在留すること
- 家族を呼べるか・何年働けるか・ずっと働けるかの見分け方
- 長く働く軸は介護福祉士取得→在留資格「介護」であることと、公式の確認先
介護で働く主な枠組み|制度名と在留資格名を分ける
冒頭の表のとおり、EPA・在留資格「介護」・技能実習・特定技能は、同じ階層の用語ではありません。EPAは国同士の協定に基づく受入れ枠組みで、候補者等の在留資格は「特定活動」です。在留資格「介護」と特定技能は在留資格の名称、技能実習は受入れ制度と在留資格の名称として使われます。
経歴や国籍、取得資格、現在の在留資格によって選べる手続きは異なります。「誰でも同じ順番で移行する」とは考えず、自分の在留カードと指定書、雇用契約を手元に置いて公式窓口へ確認してください。以下、それぞれを順に見ていきます。
在留資格「介護」|介護福祉士が介護等に従事する資格
在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を持つ人が、日本の機関との契約に基づいて介護または介護の指導に従事するための在留資格です。取得ルートにかかわらず介護福祉士の資格を持つ人が対象になり得ます。申請区分と必要書類は、出入国在留管理庁「在留資格『介護』」で確認してください。
ポイントは、在留資格「介護」は「これから介護を始める人」が無資格のまま取得する資格ではなく、介護福祉士の資格が前提になることです。介護福祉士の取り方の全体像は介護福祉士になるにはの記事で確認できます。受験資格と在留資格変更は別の手続きなので、社会福祉振興・試験センターと出入国在留管理庁の双方で最新要件を確認してください。
特定技能「介護」|通算5年の即戦力ルート
特定技能「介護」(1号)は、一定の技能と日本語をすでに身につけた人を即戦力として受け入れる在留資格です。取得ルートは、介護技能評価試験と日本語の試験(国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上、および介護日本語評価試験)に合格する方法のほか、介護分野の技能実習を修了して移行する方法などがあります(2026年7月時点、出入国在留管理庁)。
注意したいのは次の2点です。第一に、特定技能1号の在留期間は通算5年が上限で、原則として家族帯同はできません。第二に、介護分野には特定技能2号がありません。出入国在留管理庁は、介護分野については専門的・技術的分野の在留資格「介護」があることから、特定技能2号の対象分野としていないと説明しています。
このため、特定技能「介護」で働く人が家族を呼び、長く働き続けるための現実的な道は、5年の在留期間内に実務経験を積んで介護福祉士を取得し、在留資格「介護」へ切り替えることです。特定技能はゴールではなく、在留資格「介護」への橋渡しと考えると、キャリアの見通しが立てやすくなります。介護の資格を取る順番の全体像は資格を取る順番の記事にまとめています。
技能実習と育成就労|移行時期と経過措置を公式で確認する
技能実習は介護分野も対象ですが、育成就労制度への移行が予定されています。施行日や経過措置は、現在の技能実習計画、入国時期、手続きの段階によって関係のしかたが異なります。
技能実習・育成就労での来日や移行を考えている人は、古い解説記事の日付だけで判断せず、出入国在留管理庁と厚生労働省が公表する最新情報を確認してください。勤務先や監理・支援を担当する機関から説明を受けるときも、根拠となる公式ページや文書名を確認すると誤解を防げます。
EPA介護福祉士候補者|働きながら国家試験を目指す
EPA(経済連携協定)は、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国との協定に基づき、介護施設で働きながら介護福祉士の国家資格取得を目指す枠組みです。EPA介護福祉士候補者として来日し、施設で就労・研修を受けながら、在留期間内に国家試験の合格を目指します。
ここで最も重要なのは、EPA介護福祉士候補者やEPA介護福祉士は、出入国在留管理庁の案内上、在留資格「特定活動」に該当することです。EPAという名前の在留資格があるわけではありません。候補者からEPA介護福祉士への変更、就労先の変更、在留期間更新などの手続きは、出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(EPA看護師、EPA介護福祉士及びそれらの候補者)」で確認できます。
対象国、コース、国家試験合格前後、家族の手続きによって必要書類や扱いが異なります。「合格後は自動的に在留資格『介護』へ変わる」とは限らないため、本人の指定書と公式案内を照合し、地方出入国在留管理官署へ確認してください。